FX業者の選び方

FX市場は非常に競争の激しい分野です。圧倒的に複雑であるだけでなく、取引中は常に一定のリスクにさらされます。そのため、信頼でき、実りあるパートナーシップを築けるFX業者を1社見つけることが極めて重要です。そのためには、いくつかの明確な基準に従うことが大切です。本記事では、その基準をすべて詳しく解説します。

FX業者の選び方

ニーズを明確にする

最初に考えるべきなのは、なぜFX取引をするのかという問いです。投資の機会を探しているのか、為替取引を自分で管理したいのか、それとも何よりも経済的な自立を求めているのか。答えが何であれ、FX業者を選ぶには、まず自分がどのようなタイプの投資家なのか、そして通貨取引で何を目指すのかを明確にする必要があります。より的確な選択をするために、FXの基礎を身につけ、お金について学んでおくことも欠かせません。

デイトレードかスキャルピングか

世界中のトレーダーが使っている主な取引スタイルはいくつかあります。いずれも期間(瞬時から5年以上まで)や、それぞれの特性・ルールが異なります。そのうちの2つがデイトレードとスキャルピングです。

スキャルピング

スキャルピングは短い時間軸の取引スタイルで、通常、取引は数秒から数分のうちに完結します。その名のとおり、スキャルピングを行うトレーダーは、ポジションを素早く建てて決済することで、小さな値動きから利益を得ることを狙います。その特性上、スキャルピングには大きな体力、忍耐力、集中力が必要で、FXを本業として収入を得ている人にのみ適した選択肢といえます。

デイトレード

一方、デイトレードはより腰を据えたスタイルで、通常、1日に5〜10回の取引を決済します。この手法は綿密な分析を必要とし、一般にスキャルピングより予測しやすいため、兼業トレーダーに適しています。デイトレーダーは1つの取引セッション内、つまり同じニュース環境の中で取引します。翌日には相場が変わる可能性があるため、リスク管理のルール上、デイトレーダーはポジションを翌日に持ち越しません。この手法の大きな利点は、1日の終わりに自分の状況、つまり利益が出ているのか損失が出ているのかを正確に把握できることです。一方で、細部に気を取られるという欠点もあり、自分が選んだ1つの銘柄に注目している間に、別の銘柄にあるより大きなチャンスを見逃してしまうことがあります。

最低入金額

FXで取引を始めるとき、まず身につけるべきなのは損失を受け入れることです。本来これはどんな起業家やビジネスパーソンも身につけるべきことですが、トレードではとりわけ重要です。最初の入金額について、誰にでも当てはまる推奨額はありません。多くのFX業者は少額の入金を受け付けており、金額は小さなポジションで自分の取引スタイルを試すのに十分で、かつ失っても家計に響かない程度にすべきです。まとめると、最低入金額は、失ってもそれほど落ち込まずに済む金額にすべきです。

デモ口座はあるか?

FX業者の選び方

はい、あります。ほとんどのFX業者はデモ口座を用意しており、口座開設を検討している人は、仮想資金で通貨ペアを取引しながら、インストール型、ウェブ版、スマートフォン版のプラットフォームを試すことができます。デモ口座には通常、リアル口座と同じレート、チャート、ウォッチリストが表示されるため、FX業者のプラットフォームやBid/Ask(売値/買値)の価格提示を確かめるのに役立ちます。ただし、デモ口座での注文執行(約定やスリッページ)は実際の取引と異なる場合があることに注意してください。デモ口座をまったく提供していないFX業者の場合は、その理由を確かめ、プラットフォームをより慎重に確認するとよいでしょう。

こうした口座のレートを大手金融情報サイトのリアルタイムレートと比べれば、通常の相場環境でそのFX業者が競争力のあるBidとAskを提示しているかどうかを確認できます。可能であれば、FRB(米連邦準備制度)の金利決定など、相場を大きく動かす出来事の直後にもう一度確認し、非常に予測しにくい環境で通貨ペアがどう反応するかを見てみましょう。

取引手数料はいくらか?

FX業者では、固定スプレッドではなく変動スプレッドが一般的です。変動スプレッドは相場の状況や時間帯によって広がることがあります。ただし通常はスプレッドが狭いため、狭いスプレッドを補う形で、取引ごとに取引量に応じた少額の手数料も徴収します。

固定スプレッドを採用した口座タイプもありますが(すべてのFX業者がすでに用意しているとは限りません)、そうした口座タイプは通常、変動スプレッドの口座よりもスプレッドがかなり広く設定されています。 

入出金は速く簡単か?

通常、FXの取引プラットフォームでは、一般的な方法で入出金ができます。口座への入金には、銀行振込、各種電子ウォレット、クレジットカードやデビットカード、さらには暗号資産も利用できます。入金は無料で、すぐに反映されることが多いものの、手数料、利用できる通貨、処理時間はFX業者や決済方法によって異なります。出金には手数料がかかる場合があり、通常、数時間から数営業日かかります。初回入金の前に、FX業者の取引条件でこれらの条件を確認してください。

どの取引プラットフォームが使われているか?

取引ターミナル(取引プラットフォーム)とは、FXで取引を行うためにダウンロードする必要があるソフトウェアです。適切な取引プラットフォームも、良いFX業者を選ぶための重要な基準の1つです。古いシステムを使うと競争上不利になるおそれがあるため、プラットフォームは時代遅れのものであってはなりません。現在最も広く使われているのは、MetaTrader 4とMetaTrader 5、cTrader、NinjaTraderなどです。

FX業者が提供する注文の種類は?

FXにおける注文とは、FX業者が執行する特定の種類の取引指示のことです。たとえば、モバイル版の取引プラットフォームMetaTrader 5では、取引のための注文を作成してFX業者に送ることができます。主な注文にはいくつかの種類があります。

成行注文

成行注文とは、現在の市場レートで約定する買い注文または売り注文です。成行注文は、売り手と買い手がいる限り執行されます。約定価格よりも確実に約定することを重視する場合に、成行注文が使われます。通貨ペアの買い注文は最新の「Ask」(買値)で建てられ、「Bid」(売値)で決済できます。同様に、売り注文は「Bid」で建てられ、「Ask」で決済できます。

ストップロス(損切り)注文

ストップロス注文は、価格があなたの設定した水準を上回った場合(ショートポジション)または下回った場合(ロングポジション)にポジションを決済し、損失を限定するための注文です。取引がうまくいかなかった場合の保険と考えるとよいでしょう。たとえば、EUR/USDを1.2600で複数ロット成行買いし、ストップロスを1.2500に設定したとします。価格が1.2500まで下落すると、ストップロス注文が発動してポジションが決済され、損失が限定されます。相場が急変したときや価格が窓を開けた(ギャップが発生した)ときは、ストップ水準より不利な価格で約定することがあります。

テイクプロフィット(利益確定)注文

テイクプロフィット注文はストップロスの逆で、保有中のポジションを利益確定で決済する正確な価格を指定する、指値注文の一種です。通貨ペアの価格が指定した価格に達しなければ、テイクプロフィット注文は約定しません。

指値注文

指値注文とは、通貨ペアを特定の価格(現在の価格より高い、または低い価格)で買う、または売るための取引注文です。買い指値(Buy Limit)注文は、現在より低い価格で通貨ペアを買う注文です。通常、価格がある水準まで下がってから再び上昇に転じると予想して出されます。売り指値(Sell Limit)注文は買い指値注文の逆です。つまり、現在より高い価格で通貨ペアを売る注文です。通常、価格がある水準まで上がってから再び下落に転じると予想して出されます。買い指値注文の例を挙げます。ある投資家がEUR/USDを1.2000で買いたいものの、現在の価格は1.2050だとします。この場合、投資家は1.2000に買い指値注文を出しておくだけで、価格が1.2000に達したときに注文が自動的に執行されます。

買い逆指値・売り逆指値注文

買い逆指値(Buy Stop)注文と売り逆指値(Sell Stop)注文は、指値注文とは異なり、逆の仕組みになっています。買い逆指値注文は、特定の価格水準で通貨ペアを買うための取引注文です。価格がこの水準に達すると、買い逆指値注文は成行の「買い」注文になります。買い逆指値は現在の市場価格より上にしか置けず、市場価格より下にしか置けない買い指値注文とは逆です。売り逆指値注文では、これが反対に働きます。売り逆指値注文は、特定の価格水準で通貨ペアを売るための取引注文です。価格がこの水準に達すると、売り逆指値注文は成行の「売り」注文になります。売り逆指値は市場価格より下にしか置けず、市場価格より上にしか置けない売り指値注文とは逆です。

証拠金取引はできるか?

FX業者の選び方

証拠金取引とは、あらかじめ合意した金額(証拠金)を担保に、FX業者の資金を使って行う取引です。これにより、トレーダーは金融市場、特にFX市場で取引できます。

担保となる金額によって、投資家は取引を行うための融資を受けられます。資産を売買する際、トレーダーは実際の通貨を手に入れることを目的としていません。狙うのは、為替レートの変動から得られる利益だけです。これが証拠金取引の基本原則です。

証拠金取引の重要な要素は、FX業者が顧客に提供するレバレッジです。レバレッジにより、投資家は自己資金の何倍もの大きさのポジションを建てることができます。たとえば、1:30(30倍)では、1,000ドルの証拠金で30,000ドルのポジションを動かせます。損益はポジション全体の大きさに対して計算されるため、レバレッジは利益と損失の両方を拡大します。必要証拠金を計算するには、建てるポジションの取引量をレバレッジで割ります。

レバレッジは通常、小さな取引では大きく、大きな取引では小さくなります。また、個人顧客向けの最大レバレッジは規制当局によって制限されており、主要通貨ペアでは、EUと英国で最大1:30(30倍)、米国で1:50(50倍)、日本で1:25(25倍)です。1:200(200倍)以上を提示するのは、通常、他の法域でライセンスを取得したFX業者であり、初心者トレーダーがそのようなレバレッジで始めるのはおすすめできません。低いレバレッジと小さなポジションから始め、1回のミスで入金額のすべてを失わないようにするほうがよいでしょう。

FX業者を比較する際、最大レバレッジが高いことは柔軟性、つまり必ずしも使うとは限らない予備と見なすことができます。大切なのは、そのうち実際にどれだけ使うかです。レバレッジによって変わるのはポジションに必要な証拠金の額だけで、リスクはポジションサイズによって決まります。FX業者が提供するレバレッジにかかわらず、1回の取引のリスクが口座資金の1〜2%程度になるよう、各ポジションのサイズを決めましょう。

ボーナスと割引

多くの取引プラットフォームは、利用者を増やすために、トレーダー向けにさまざまなキャンペーンを提供しています。代表的なものには、キャッシュバック、手数料無料の入金、ストップアウト保険、特定の証拠金率などがあります。どのような特典であれ、プラットフォーム自体が公正であることが実証され、そのように評価されている場合にのみ、本当に役立つものになります。適切なFX業者を選ぶために、レビューを必ず読み、提示されている条件を考慮し、最終的な選択は慎重に行いましょう。

プレミアムボーナスはあるか?

通常のボーナスに加えて、FX業者はVIPトレーダー向けに特に有利な条件も提供しています。その場合、非常に高額に思える最低入金額の条件が設けられているのが一般的で、多くの場合10,000ドルからです。プレミアム口座やVIP口座は、通常、本格的なFXトレーダー向けのもので、幅広い学習コンテンツへのアクセス、より狭いスプレッド、FX業者のトレーディングデスクへの直接アクセス、専任のアカウントマネージャー、FXの判断に役立つリアルタイムの金融ニュースなどの特典があります。具体的な条件はFX業者によって異なるため、口座の取引条件で確認してください。プレミアムステータスだからといって、取引のリスクが小さくなるわけではありません。

FX業者のセキュリティは万全か?

どのFX業者にも長所と短所があります。規制、これらの企業が提供する保護の水準、取引コストも、検討すべき重要な要素です。保護の仕組みはFX業者によって異なります。2段階認証など、ハッカーからアカウントを守るセキュリティ機能を備えているFX業者もあります。

多くのFX業者は規制を受けており、FX業者のライセンスは規制当局の公開登録簿で確認できます。米国ではCFTC(米商品先物取引委員会)とNFA(全米先物協会)、英国ではFCA、EUではCySEC(キプロス)、BaFin(ドイツ)、CONSOB(イタリア)などの各国規制当局、オーストラリアではASIC、日本では金融庁(FSA)がFX業者を監督しています。ただし、すべてのFX業者が規制を受けているわけではないため、ライセンスのない業者は避け、その業者があなたの国の顧客にサービスを提供する認可を受けているかを確認してください。

最低入金額でFX業者を試す

FX業者の選び方

FXの第一のルールは、失っても構わない金額だけを投資することです。FXはリスクの高い分野で、大きな利益を得ることもあれば、大きな損失を被ることもあります。ですから、不要な損失を避け、FX取引を練習して手法を身につけるために、しばらくはデモ口座を使い続けるべきです。もちろん、まったくの初心者であればの話です。

先にも述べたとおり、FXに最初の資金を投じるときは、それを完全に失う覚悟をしておきましょう。口座の最低入金額や取引手数料は、FX業者のプラットフォームによって異なります。取引サイトに登録する前に、投資のための予算を決めておきましょう。いくら使いたいのか、税金をいくら払えるのか、目標は何かを明確にします。自分のニーズに最適なプラットフォームを選ぶ際には、検討すべき点がいくつもあります。始める前に、できるだけ多くの側面を比較検討してください。

カスタマーサポート

FX業者も完璧ではないため、問題が起きたときにすぐに連絡が取れる業者を選ぶとよいでしょう。口座や技術的なサービスの問題に対応する能力は、取引を執行する能力とほぼ同じくらい重要です。口座開設の際には丁寧で協力的でも、「アフターサービス」が不十分なFX業者もあります。サポートの対応スピードや、担当者が知識と経験を備えているかどうかに注目しましょう。

レビューを読む

適切なFX業者を選ぶのに役立つのは、しっかりとした情報分析です。この点についてぜひ自分で学んでください。信頼できる情報源のリストを作り(たとえば、日本語の独立した金融教育サイトやレビューサイトなど)、空いた時間に1時間ほどかけて独立したレビューを調べてみましょう。FXでの取引はそれ自体が十分にリスクの高い活動であり、余計な面倒はまったく必要ありません。

FX業者は学習コンテンツを提供しているか?

FX業者の選び方

信頼できるFX業者は、顧客がより賢明な判断を下し、十分な知識を身につけることを望んでいます。そのため、信頼できるプラットフォームを利用していれば、学習専用のセクションが必ず見つかるはずです。そこには、FX市場の動き、主要な通貨ペア、買い圧力や売り圧力を生む市場要因についてのウェビナーやチュートリアルが含まれています。こうした解説では、中央銀行が金利を上げ下げすることで為替市場にどのような影響を与えるのか、またトレーダーがこうした時折起こる出来事にどう備えるべきかについて、具体的に説明されているはずです。

それだけではありません。学習セクションでは、取引チャネル、通貨ペア、注文の種類など、トレーダーが日常的に直面するごく基本的な事柄まで扱っていることがあります。カスタマイズしたウォッチリストの作成方法、テクニカルチャートの設定方法、シンプルなレート画面の見方を紹介する動画、ガイド、その他のチュートリアルを探しましょう。これらのツールでは、プラットフォームから直接ニュースやリサーチ情報を入手する方法も学べるため、インターネットで情報を探し回る必要がなくなります。

相場分析のためのツールは何か

そうしたツールの1つ目は、前述の学習セクションで提供されているはずのもので、最も活発に取引されている通貨ペアと、現在それらを動かしている要因の概要です。このセクションでは、リアルタイムのニュースやオンラインウェビナーのほか、無料の第三者による分析や専門家の見解が提供されていることもあります。国内経済だけでなく世界全体を網羅したレポートや、世界中の相場を動かす経済指標の発表をすべて掲載した、定期的に更新される経済指標カレンダーがあるかどうかを確認しましょう。

まとめ

FX取引のためのFX業者選びは難しい作業になることがあり、本質的には最初に思うより少し複雑ですが、おおむね信頼できるビジネスパートナーを選ぶときと同程度の難しさです。調べる際には、独立したレビュー、キャンペーン、学習コンテンツに注目しましょう。自分の側では、どのような取引をしたいのかをよく考え、デモ口座を本格的に試してみてください。そのうえで初めて、最初の投資額の目安を決めましょう。しっかり準備をしておけば、最終的な選択によい影響を与えるはずです。

 

当社のウェブサイトを使用することにより、ここで読むことができる当社のプライバシーポリシーおよびCookieポリシーに同意するものとします。
承認する